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空梅雨

今思いついた小話です。
今年は暑いですねー。
雨降らないし。
そんなお話です。



アメモースの調子がおかしいことに気づいたのは、羽の手入れをしようとモンスターボールから出したときだった。

ホテルの部屋の天井近くを酔ったようにふらふら浮いている。

「アメモース?」

呼ぶと墜落するように手元に降りてきた。

「アメモース!?」

エネコのブラッシングをしていたハルカも慌てて近づいてくる。

「アメモース、どうしたの?大丈夫?」

ハルカの呼びかけにもうっすらと目を開くばかり。

ぐったりと、ぼくの腕に体を預けていた。

「どうしたんだ、アメモース……。」

昨日までは普通だった。

コンテストのためにホテルに滞在し始めてから3日。

コンディションには気を付けているから、ぼくがアメモースの異変を見逃すはずが無い。

昨日だって、むしろ元気が有り余っているようだった。

ぼくとハルカがソファーに並んでテレビを見ている横で、それはそれは嬉しそうに飛び回っていて……嬉しそうに?

何故、アメモースはあんなにはしゃいでいたんだろう。

テレビの内容が嬉しかったのだろうか?

でも、アメモースが特に元気が良かったのは、次の番組が始まるまでのただの繋ぎの天気予報で……あ。

「そういえば、今日の天気予報は雨だったね……。」

ここ最近、雨が降っていない。

この時期、雨が多いはずなのに、その気配すら無い。

水が大好きなアメモースにはつらかったのだろう。

そんな中、天気予報で雨マークを見て。

期待していたのだろう、それはそれは物凄く。

なのに、窓の外は快晴。

期待が外れたショックと日頃は感じない疲れがどっとのしかかってきたのではないだろうか。

「アメモース、雨を待ってたんだ……。」

ハルカがアメモースの頭を撫でる。

そのまま、ぼくの腕から受け取ると、ぎゅっとその胸に抱きしめた。

「うん……楽しみにしてたのに、それが無くなっちゃったなんてつらいもんね……。」

ハルカが切なそうに呟く。

「ハルカ……。」

何だか、見ているこちらまで悲しくなってくるようだ。

「早起きして、限定5個のチーズケーキを買おうとしてたのに、その日に限ってケーキ屋さんが臨時休業だったり……。」

「それは違うと思うよ。」

即座に突っ込む。

「違わないかも!楽しみすぎてなかなか眠れなかったんだからね、あの時!」

ハルカはぷーっとふくれる。

ぬいぐるみのようにアメモースを抱いてふくれっ面をする恋人はとても可愛らしい。

そんなことを言っている場合ではないのだけれど。

「うん!ガッカリしてるアメモースのためにわたしが一肌脱いであげる!」

アメモースを目の前に掲げて、ハルカが力強く言い切る。

「どうするんだい?この晴れ具合だと、今日はもう雨は降りそうにないよ。」

「雨じゃなくても、アメモースを喜ばせる方法があるかも!」

そのまま満面の笑みで。

「一緒に水風呂入ろう!」

「こら待てハルカー!!」

「雨とは違うけど、水風呂もきっと気持ちいいよ!」

「人の話を聞けー!」








結局。

いきなり元気になったアメモースとハルカは浴室に行ってしまった。

モンスターボールから勝手に出てきたロゼリアと共に。

ぼくだって、一緒に入りたかった……!

一人残された部屋には、ぼくの声にならない叫びだけがこだましていた。







終わっておこう(笑)


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