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この間のテレビの特集

それをネタに書いてみました。
ではスタート!



「ねえ、シュウ君、知ってた?」

「何をですか?」

気味の悪い笑顔で訊いてきたのはいつも余計なちょっかいをかけてくるコーディネーターだった。

ニヤニヤしながらこちらを見下ろしてくる。

……どうして、こんなコンテストもないような小さな町でこんな人に会うんだ。

どうせ会うなら彼女が良かった。

挨拶もせずに、いきなり「知ってた?」なんて嫌味ったらしく訊いてくる男よりも。

「もちろん、今年のバ・レ・ン・タ・イ・ン。」

「その行事とぼくに何の関係があるんですか。」

ああ、呼びとめられた時に無視して歩き去れば良かった。

つい、振り返ってしまったのは不覚以外の何者でもない。

「あーら、シュウ君ったらそっけないわねー!毎年、もらうチョコレートの数はナンバーワンのコーディネーターのくせに!」

「……だから、何ですか。」

「バレンタインに興味がないなんて!全国の女の子が悲しむわよー!」

何なんだ、この人。

女の子が悲しむとか言いながら、楽しそうに身をくねらせている。

別に、チョコレートが嫌いなわけでもないし、バレンタインに興味がないわけでもない。

ただ……。

「まあ、そうよねー!本命からは一度も貰ったことないんだもんねー!」

「……。」

確かに、チョコレートを贈ってくるのは見覚えのない顔ばかりだけど。

いや、そんなことはどうでもいい。

だいたい、どうして、この人が本命とか何とか言ってくるんだ。

「ハルカちゃんからチョコレート欲しい?」

「別に。」

「あーら、やせ我慢しちゃって!」

もう行こう。

どうも、今日は自分のペースが掴めない。

いきなり、バレンタインとか本命とか言われたせいかもしれない。

ぼくがこんなコンテストに関係ないことを気にするなんて。

「あら、シュウ君、もう行っちゃうの?」

身をひるがえして足早に歩き出す。

「無駄話に付き合っている時間はありませんから。」

「そんなこと言われると、ハーリーベリーサッド~!」

本当に無駄な時間だ。

「でもでも!この情報はシュウ君喜んでくれるかもー!」

声が追いかけてきた。

その調子から、ロクな情報ではないことがうかがい知れる。

「今年のバレンタインって、男の子が女の子にチョコレートを贈るのが流行りなんですってよ~!」

「……。」

だから、何なんだ。

「あーら、シュウ君、喜んでくれないのー?」

「無駄話に付き合う時間は無いと言ったはずです。」

「ハルカちゃんは喜んでくれたのにー。」

ピタリと足が止まった。

「この間、教えてあげたらね、いきなりほっぺ赤くしてモジモジし出したのよ。かっわい~!」

「……。」

ゆっくり振り返ると、今日一番の嫌味な笑顔でこちらを見据えていた。

「何考えてんのかしらねー?人差し指ツンツンなんて、まるで恋する女の子ねー?」

腰に手を当てて勝ち誇ったように顔を突き出す。

「ここでもしチョコレートが貰えないなんて事態になったら、ハルカちゃん悲しむわねー。泣いちゃうかも~。」

「……。」

「でも、とってもオクテなシュウ君はそれが分かっててもチョコレート渡せないのよねー!楽しいわ~!」

しまいには、口元に手を当てて、道のど真ん中で高笑いし始めた。

「ほーっほっほっほっほっ!バレンタインまであと一か月!悩み続けるがいいわー!」

無視して歩きだしても、その高笑いは道に響き渡っている。

「かもちゃんは泣くことになるのかしらー!それとも、クールなシュウ君が顔真っ赤にしながらチョコレート渡すのかしらー!楽しすぎて一か月これで退屈しなさそうね、ほーっほっほっほっほ!」

纏わりつくキンキン声の高笑いを首を振って振り払う。

だが、その声は角を曲がって彼が見えなくなっても、いつまでも響いていた。






今日は本当に厄日だ。







ちょっと書いてみたくなった。
ハーリーさんは9割邪魔してて、1割応援してるといいと思う(笑)
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